HOME >過去の講演会 > 第18回技術講演会質疑応答

中嶋 義徳先生へのご質問
ダイト株式会社 執行役員 生産副本部長 兼 製剤製造部長

『ダイトの高薬理活性医薬品戦略と第八製剤棟の紹介 ~コンテインメントの最新事例~』

【質問】
治験薬は、どのようなカテゴリーで管理されますでしょうか。治験薬は、安全性治験が少ないと思いますので、是非御社の考えをお伺いできればと思います。

【回答】
弊社では、新薬の治験薬の製造は実施した経験がありません。


【質問】
第八製造棟ではバーサフロー等、特殊な保護具を着用しての製造が想定されていますか?

【回答】
通常の製造では特殊な保護具の着用は想定しておりません。


【質問】
曝露試験における評価では、OELやADEから安全マージンを設けてクライテリアを設定していますか?

【回答】
特に安全マージンを設定しておりません。


林 健太朗先生へのご質問
シオノギファーマ株式会社 生産技術部 製剤部門 サブグループ長

『シオノギファーマにおける連続生産の取り組み』

【質問】
コーティングはバッチ生産だと思いますが、ロットサイズはコーティングのバッチサイズから設定されていますでしょうか?

【回答】
ロットサイズは連続生産工程に仕込む調合末の量で規定しています。


【質問】
ハイブリッド方式を用いられていますが、ロット管理は生産数量で管理すると講演されました。混合、連続生産(打錠上がり)、コーティングの各工程の数量の大小はどのように位置づけられますか。打錠上がりが最小の場合はそうかも知れませせんが、コーティングのバッチサイズの方が小さい場合はこの工程がロットサイズを決めるのではないでしょうか。あるいは、コーティングバッチが複数でも同一ロットと扱われるのでしょうか。

【回答】
コーティングバッチが複数となる場合に、コーティングの各バッチを別ロットと扱うか、同一ロットと扱うかについては、製品特性と管理戦略次第かと思いますが、コーティングバッチ間での均一性を保証し同一ロットとして扱うことも可能であると考えています。


【質問】
ハイブリッドの連続生産においては、実生産ではどのくらいの幅で生産調整が行えるのでしょうか。また、バッチ生産の工程がボトルネックになってしまうことはなかったのでしょうか。

【回答】
詳細な数値は開示できませんが、数倍程度の幅をもたせることができています。また、バッチ生産の工程は比較的小スケールで実施しており、その整数倍でロットサイズを決定することも可能であり極端なボトルネックとはなっていません。


【質問】
御社の達成されたシステムでは排除はどのように設定されましたでしょうか。 また実際に排除が行われる頻度はいかほどでしょうか

【回答】
排除ポイントは4か所あり、詳細は特定製品の承認申請に関する情報となるので差し控えさせていただきたいですが、それぞれ目的に応じて排除基準を設定しています。実際には、造粒部の初期廃棄分を除き、ほとんど排除されておりません。


【質問】
混合シミュレーション結果が実際の状況を正しく反映されているか検証実験をされてましたら、どのような方法で実施されたかご教示頂きたく存じます。

【回答】
混合時系列でサンプリングしてその混合均一性を評価しました。


【質問】
例えば申請時のPVのスケールについて、連続生産の場合のロットサイズは、原材料のロットサイズや、各操作の稼働時間等を考慮すると思うが、承認後の製品供給量によっては原材料のロットサイズや、稼働時間が当初の予定と異なる場合が想定される。その場合は、再度、原材料のロットサイズや、稼働時間を踏まえて再度プロセスのバリデーションを実施するのかご教示頂きたい?

【回答】
各社の品質保証の考え方を踏まえ、最終的には当局に判断いただくことになるので、正確なことは申し上げられませんが、申請時と比べてロットサイズを大きくしたい場合には、再度バリデーションが必要になるのではないかと考えます。


【質問】
生産量が調整可能とのことですが、生産量の最小、最大量をご教示いただけますか?

【回答】
特定製品の承認申請に関する詳細情報はお答えできません。製品のライフサイクルを通じてその必要量をカバーできるよう、ロットサイズのフレキシビリティーを確保しています。


【質問】
将来の計画として、連続生産に直打法を導入する計画はありますでしょうか?

【回答】
自社グループ内での開発品の動向、お客様のご要望に応じて導入を検討して参ります。


【質問】
既存品を連続製造化される際には、処方を変更する必要があるのでしょうか。

【回答】
処方変更が必要となる場合も、処方変更が不要な場合もあると考えます。


【質問】
連続生産でDoE検討を実施する場合、工程稼働中の変動は影響しないのでしょうか?それとも十分に工程理解を深めた後に検討を行うものでしょうか。

【回答】
工程稼働中の予期しない変動は検討結果に影響を及ぼします。各プロセスパラメータの製造記録から、DoE検討を実施した際に、工程稼働中に意図しない変動が生じていないことを確認する必要があると考えます。


【質問】
収率の観点でバッチ製造と比較して高くなるという理解であっていますか?

【回答】
連続生産の製造スケールに依存すると考えています。一般に、連続生産の製造スケールが小スケールであればバッチ生産の方が有利、ある程度のスケールでは連続生産の方が有利になると考えています。


【質問】
造粒により得られた顆粒粒子径のコントロールの工程管理について実施されていないという理解であっていますか?

【回答】
弊社のシステムでは顆粒粒子径の工程管理を実施することも可能です。今回の適用製品での実施有無については承認申請に関する詳細情報となり、お答えできません。


【質問】
貴重なご講演ありがとうございました。 バッチ生産を連続生産に切り替えた後は、連続生産に完全切り替えなのでしょうか。もしバッチ生産を今後も実施する予定であれば、連続生産向けに処方や添加剤グレードを最適化をした場合に承認書の記載をどうしていくのか、何か方針があればご教示ください。

【回答】
弊社では、バッチ生産と連続生産を共存する予定です。 一般に、処方を変更した場合には、処方変更の一変申請も合わせて行う必要があるので、各製品のライフサイクルや特性に応じて、どのレベルまでの変更申請を実施するのか、方針を決めることが重要だと考えます。


【質問】
フレキシブルに生産量が調整可能なことが連続生産のメリットの一つだと思われますが、実際の生産現場・既製品の連続生産化において、フレキシブルな生産数量調整が生かされた具体的な事例は有りますでしょうか。

【回答】
現時点では、お伝えできる具体的な事例はありません。今後、開発段階においてはスケールアップ検討のボリュームを大幅に減らすことができること、商用生産段階においては需要量の変動に応じて生産量を容易に調整できることを効果として期待しています。


村上 剛史先生へのご質問
アステラスファーマテック株式会社 富山技術センター 製造技術セクション長

『先駆け指定品目Xospata錠40mgの製剤開発・申請と品質保証』

【質問】
PATの部分で、混合工程のモニタリングは現在データ収集中とのことですが、工程管理として使用するための課題は何でしょうか?また、打錠工程での定量、含量均一性は全数検査しているのでしょうか?

【回答】
ロット数(データ数)がまだ少ない為です。データ数が増えたら混合終点のMBSD値の管理幅を見極めて工程管理に使いたいと考えております。


【質問】
DIMONにおけるアラートを発する管理値は、工程管理値よりも内側に設定されているのでしょうか。それであれば、その管理値は人が決めているのでしょうか、統計解析的なデータにもとづいて決めておられるのでしょうか。

【回答】
可能な限り未然に管理値からの逸脱を防ぎたいので、工程管理値より内側に設定しております。基本的には設定値は統計解析的なデータに基づいて設定しますが、データ数が少ないものなど不必要なアラートが多発することを防ぐため、何らかの根拠に基づき人が設定する場合もあります。


【質問】
TANDEMⅢを用いたRTRTの実施という事ですが、NIRを用いた含量測定としては、 ①打錠速度を考えた場合、RTRTをどのように実施できているのでしょうか?  透過法は測定時間として、RTRTは厳しいと思います。

【回答】
打錠工程では全数検査はしておらず、抜き取りでの透過法を用いた管理をしています。


【質問】
②反射法でも測定時間は未だしも、精度をどのように担保されたのでしょうか?

【回答】
透過法になります。


【質問】
③精度については、HPLCのバラツキに、NIRのバラツキが”オン”されると思いますが、  管理の幅は、どのような範囲で認められたのでしょうか?  (臨床とタイアップしたデータの為に、認められたという事でしょうか?) 沢山ありますが、是非、ご教授お願い致します。

【回答】
お答えしにくい部分ですが、モデルのバリデーションにおける精度(Precision)に関してお答えします。NIR法のバリデーションとしては、HPLCとNIRの系統誤差は真度(Accuracy)として評価しており、この真度の評価基準はSEPで〇.〇%以下のように設定しています。この評価基準はHPLCでの分析バラツキ(併行精度の評価基準:RSD≤△.△%)を考慮した基準としています。(〇.〇>△.△)。併行精度(Precision)については、同一錠剤を測定した際の室内再現性のバラツキがHPLCと同レベルのバラツキとなるように基準を設定しています。


【質問】
中国申請で包装資材もCDMF登録が必要との認識とのことですが、1次包装材料だけでなく2次包装材料もすべてが必要なのでしょうか?

【回答】
弊社では2次包装材料はCDMF登録を求められたことはございませんでした。


【質問】
先駆け申請等の早期申請に対応する上で、短期間でCMC開発を遂行するために、処方や製剤プロセスの開発プラットフォームの構築やナレッジマネジメントが重要になってくるかと思われますが、何か工夫されていることがあれば教えてください。

【回答】
今回のケースのように臨床試験がPhase3まで行われる場合は、新たなプラットフォームの構築やナレッジマネジメントは意識せずこれまでのやり方で対応可能かと考えています。(QbDの製剤開発で行う製剤検討(実験計画法)には多少ナレッジマネジメントと言えるかどうかわかりませんが他製品から得た情報なども活用しています。) しかし、例えばPhase 2試験後に申請となった場合などは、その時点の製剤が多少包材が重厚になるような改良の余地のある製剤でも申請安定性試験を走らせて三極申請後の早い段階でより望ましい製剤に変更申請(各国への申請が始まる前)することも一つの手段かと思われます。


【質問】
打錠時のRTRTについて、測定は透過か反射かどちらでしょうか?実際の工程管理の間隔はどの程度であればRTRTに適切とお考えでしょうか?また、ロット毎に検量線の引き直し等は必要でしょうか?

【回答】
透過です。工程管理の間隔はそれぞれの粉体特性や打錠機に由来すると考えます。事前にどれだけ打錠工程中に変動するか把握して、適切に設定すれば良いと思います。 また、検量モデルを作成する際に、モデルに使用する錠剤に実際の生産で変動する要素を取り入れることでロット毎に検量線を引き直すことはしておりません。(定期的なモデルのベリフィケーションは実施します。)


【質問】
PATについて(承認の確実性と新技術の導入のバランスをどうとったか) 中国申請について(3極と規格・試験方法が異なる原料に対する対応についてどう行っているか)

【回答】
新技術の導入に関しては、承認を遅らせることは出来ない状況でしたが、最悪申請直前や申請後に取り消すことも選択肢に入れながら導入を進めました。また、PATが故障などにより使えなくても製造できなくならないような承認申請書への記載にしました。 原料の中国対応に関しては、原料メーカーで適を出して頂ける交渉が第一選択でしたが、出来ないものは自社で保証できるようにしております。


【質問】
DAIMONについて、ロット間の傾向分析に利用できると理解したが、出荷前のロット分析として他ロットとの傾向をリアルタイムに評価することは可能であるか?

【回答】
DAIMONにタイムリーにデータを取り込むことができていれば、可能です。


【質問】
RTRTを東南アジア等で申請しなかった、できなかった理由は何でしょうか。

【回答】
これは難しい問題でした。早期の承認を狙う上で、これらの国はRTRTの実績がないと考えられた為(情報が少ない)、承認リスクが高いと判断し初回申請時でのRTRT申請は断念致しました。このような各国へのRTRT申請について製薬会社間の横のネットワークで情報交換していけば、より申請しやすくなると思いますので、よろしくお願いします。


【質問】
中国申請の要件について、承認後の製造サイト追加はBE試験不要とのガイドライン変更があったとの情報、ありがとうございました。 開発段階(つまり有効性・安全性を検証する臨床試験 治験薬製造から商用生産サイトの変更)からの変更についても、BE試験は不要との理解でよろしいでしょうか? もし情報があれば教えて下さい。

【回答】
講演会の時に紹介させて頂いた「承認後CMC変更のガイドライン」の他に、治験間のCTM変更のガイドライン(Technical Guidelines for CMC Changes of Innovative Drugs (Chemical Drugs) During Clinical Trials (Interim)、2021年3月)がありますが、pivotal study CTMから商用への変更について明確に書かれたものは存じておりません。必ずしもヒトBE試験が必要ではないと解釈はしております。


【質問】
原薬の最終工程ではなく、製剤の第一工程としてピンミル粉砕を行っているようですが、これは有効成分が高活性化合物であるため封じ込めの観点から取り入れた運用なのでしょうか?それとも、高活性化合物に該当しない化合物であってもそのような運用をされているのでしょうか?

【回答】
特に高活性化合物としての対応ではございません。原薬サイトと製剤サイト、どちらも「あり」かと考えます。


【質問】
RTRTが受け入れられなかった申請国については、どういった申請パッケージを組んだのでしょうか?従来のQbDアプローチを組み直したのでしょうか?

【回答】
QbDアプローチとしてはRTRTなしでも大きく変更はありませんでした。単純に申請パッケージからRTRTの記載を抜いたイメージに近い形で申請しています。


【質問】
中国への申請について、情報収集について苦労があるかと思いますが、どのように情報収集されているでしょうか?

【回答】
悩みは同じです。薬事の担当者の方で、RDPAC(中国の外資系企業の製薬団体)等での活動なども活用して通じて情報収集したり、CDEに直接質問を送れるサイトや、PJ特有の話では米国のTypeA-C meetingが中国にもあるので活用しております。